ラピスラズリの星空・物語を聞かせて
和田 高幸（わだ たかゆき）
美術学科 油絵専攻
横2700×縦1800mm 4点
クラフト紙 クレヨン
和田高幸の卒業制作は「ラピスラズリの星空・物語をきかせて」と題された、横２７００mm縦１８００mm・４枚組の作品群である。壁面に掛けられた絵画を鑑賞するという趣ではなく、四方の壁面や床などに設置することで、鑑賞者が絵画の中へ入り込み、絵画を全身で体験してもらいたいという意図があるようだ。
絵画制作では、綿密に構成したモチーフや創作した光景を計画的に時間を掛けて練り上げ、重厚で堅牢な画面を求められる事もあるが、今回和田が使用しているクラフト紙やクレヨンは、絵具の乾き具合を気にする事なく描き進めることが出来るという即興性があり、思いやイメージを吐き出すかのように一気に書きあげた躍動感が感じられ、和田自身の制作時の身体感覚と精神性がストレートに表現されていると言えるだろう。