• Faculty of Arts / Art Award

2031103_河元愛香_Sanctuary _01s

sanctuary
河元 愛香  KAWAMOTO Manaka
美術学科日本画専攻
2273 × 1818mm
雲肌麻紙、岩絵具、胡粉、金属箔
紙本彩色

河元さんの「Sanctuary」は広島城にある被爆樹木ユーカリをモチーフとしている。戦禍を経て生き残るユーカリの姿に作者の思いが込められた作品となっている。大木のゆったりとした存在感、抑えられた色彩と金銀箔の輝きがこの樹の持つ歴史や役割を感じさせる。細部では枝に止まった雀、足元では秋草が揺らぎ鶉や蝶が見え、日本の古典絵画的モチーフが情感とともに引用されている。題名「Sanctuary」は、「鳥獣の保護区」「攻撃を受けることのない安全な場所」という意味で付けられている。作者の理想郷を高い技術力、表現力で描き切った秀作として高く評価する。