• Faculty of Arts / Art Award

2270007_岡田祐人_小さな、遠い世界から_01S

小さな、遠い世界から 
岡田祐人 OKADA Yuuto
造形芸術専攻彫刻研究領域彫刻A研究室
H130×W70×D50(cm)
桜 木彫
作品「ちいさな、遠い世界から」は、作者が2021年から制作し、少しづつ手を加え2024年に完成した木彫作品です。素材である桜の木は、彫刻素材として珍しくはありませんが、比較的繊維密度が高いため硬く、刃物が通りにくい木材です。制作に時間がかかる素材ではありますが、その繊維の密度の高さゆえに、仕上がりが美しく抵抗感のある木彫作品をつくることができる素材です。
作者は、学部生の頃より継続して木彫制作を行っており、その造形力や木材加工技術の高さが高く評価されて来ました。科学技術への信仰と仏教思想を重ね合わせた作品テーマも一貫しており、独自の内的イメージを如何に彫刻表現として具現化するかを模索、研究して来ました。
本作「ちいさな、遠い世界から」は、宇宙探査機「voyager」というNASAの太陽系外惑星及び、太陽系外の探査計画で用いられた人工衛星を人類の科学思想の象徴として扱い、我々が生きる地球とその自然体系を象徴した鯨の骨で支えることにより、人類の科学が到達、或いは発展することで獲得していく知性を賛美する作品となっています。また、仏像表現に用いられる光背を持たせることにより、化学を宗教的な信仰対象として崇める現代人の思想を表現しています。
作者の持つ仏教思想における輪廻という死生観をベースに、科学信仰の上に発展していく人類の現状とそこに寄せられる希望を肯定したいという思いが形となった、説得力のある造形表現になっています。
学部からの継続した研究が形となった完成度の高い作品であり、木彫における造形技術を含め教育的資料としても有用である。