ボブ
三松 拓真 (みまつ たくま)
美術学科彫刻専攻
① H90cm×W102cm×D130cm
② H270cm×W50cm×D53cm
立体(インスタレーション))
木彫
作品「ボブ」は、木彫作品2点によるインスタレーションとなります。作者の三松君は学部2年次より自動車と動物を掛け合わせた木彫作品を制作しており、本作品もそのシリーズの一点となります。作者曰く、自動車を見ると動物に見えてくるということが出発点にあり、そのことをダイレクトに作品化しているということです。モチーフになっている自動車は現在自身が所有しているものであり、これまでの作品でも自身の日常と密接に関わっている自動車やバイクをモチーフとして扱ってきました。また、インスタレーション作品としてその自動車に実際に起こった出来事を再現しており、本作品ではコンビニエンスストアの看板の支柱に車の後部をぶつけてしまった出来事を表現しています。彼の作品は、自身の日常の出来事や情景を独自の世界観で再構築するものであり、自身にとって印象深い体験をユーモアを交えて鑑賞者に伝えることで、現実と空想の世界を行き来する体験を私たちに提供しています。大きなテーマや、難解な問題を提示するといったことがなくても、その世界観のユニークさや想像力、そして表現したいという熱意によって、どこにでもある日常が作品として成立することを示しています。彫刻作品としても継続して研究してきた成果が感じられ、学部4年間の集大成として十分な内容になっていると思います。