ロクス・アモエヌス 椿
手嶋 勇気 (テジマ ユウキ)
芸術学研究科 絵画研究分野 油絵
H 2273 × W 1818 mm
パネル、カゼインテンペラ、油彩、フレスコ、ストラッポ
1世紀初頭のフレスコ画「アウグストゥスとリウィアの庭園画」に魅かれた手嶋勇気は、自らローマに赴いてその技法の秘密を探るべく、ロマネスクのフレスコ画の技法研究を行った。「閑暇を愉しむ」(オフティウム)の図像をテーマに、綿密な下図の制作と、ジョルナータによるレンガ壁画への計画的な制作を積み上げて、ストラッポによる、画布の上に石灰層を移し取る作業までも行った。更に、カゼイン・テンペラによる加筆を施すという手嶋なりの方法論を確立し、その鑑賞者に或る美観感を喚起せしむる企みは、高いレベルで結実しており、今後の展開を期待できる秀作となったと言える。