重い葉
森下 恭介 (モリシタ キョウスケ)
芸術学研究科 絵画研究分野 日本画
H 1818 × W 2590 mm
パネル、額装
森下恭介君の「重い葉」は200号いっぱいに枯れかけた蓮の葉を描いた大作である。キャンバスを支持体として荒い岩絵具を塗り重ねた画面から滲み出る重厚さや、荒く鈍い色調の空間からは、題名の通りの重々しさを感じるが、そこからは決して鈍重とはいった感想は生まれない。むしろ、幾度も対象に向き合い素描を重ねた結果から生まれた造形や構図、厚いマチエールに抗うべく研究をかさね吟味された岩絵具の色彩効果などが相まって、緊張感を伴った繊細な切れ味までも感じさせる秀作である。大画面に向き合いモチーフも色調もぎりぎりまで絞って画面を作り上げた描写力や構成力、また日本画材料ならではの効果的な色空間の構築は高く評価する。