KOZIKI
上尾 彩那 (ノボリオ アヤナ)
デザイン工芸学科 視覚造形
H 279 x W 2000 mm 全6巻
合成布、表装裂、和紙、軸棒、軸先
日本最古の歴史書である古事記。しかしながら、この古事記に関心を持つ者は少ない。「読むだけの古事記」から「想像できる古事記」へリデザインしたそれが上尾の制作した「KOZIKI」である。
古事記の本文を神々として設定し、表情や過度の装飾を除いたシンプルなものにする事により、見る者各々が、感情や営み、そして自分たちのルーツを想像することができる。
この作品では、古事記に関連する”地”を訪れその空気感にインスパイアされた風景を描いている。また、神道と古事記の密接な関係からイメージしたロゴデザインなどを行ったことで、作品のいたるところから古き良き日本のアニミズムや自然との共存の様子が見てとれる。
表装裂等の布は全て龍をモチーフにしたもので、多数の龍の布を使ったのは龍を神として祀った歴史から、この作品の一巻一巻に神々を宿らせたいという上尾の思いが感じ取れる。
調査から取材そして制作へと、一貫した姿勢は高く評価出来る。