偽りの
行 晃司 (ユキ コウジ)
芸術学研究科 絵画研究分野 油絵
H 2273 x W 1620 150号
キャンバス、油絵
学部生の頃から人物画を描くことを好んだ行晃司は、大学院に進んでフェルメールに代表される17世紀オランダの風俗画や、19世紀末のデンマークの画家ハンマースホイの作品から、よりテーマ性を重要視する作風に変化した。
この修了作品は、それらのオマージュ的な意味合いを持っている。画面空間に壁を設定しその奥にまた別の空間(部屋)を配置するオランダ風俗画の方法を取ることで、作品世界の奥行きを更に深くすることに成功しており、絵画史研究と絵画制作の両面を巧みに繋いだ完成度の高い作品として評価できる。