• Faculty of Arts / Art Award

仲島 夏聖(なかしま なつみ)
美術学科 彫刻専攻
H130×W205×D380(cm) 100㎏重

木、鉄、布、ウレタンフォーム、他

本作品「赤ちゃんの王様」は、作者の生命に対する眼差しを、彫刻として表現したものです。作者は、学部の4年間を、生命を感じる形の追求に費やしてきました。作者の興味は、動植物から感じる生命のエネルギーを彫刻として形で表現することにあります。これまで、樹木の根や握りしめた拳など、内包された力強いエネルギーを感じるモチーフを選択し、それらを抽象化しながら造形し表現してきました。本作のモチーフである”赤ちゃん”について作者は、生命の魅力を造形的に最も率直に感じられる対象と言います。そして、その赤ちゃんの”王様”というのは、力強い生命の代表であり、尊く守られるべき価値の象徴という意味合いのようです。本作は、その赤ちゃんの王様が、大きな掌のようなゆりかごの中で眠っているという設定です。また木彫で形作られたこの赤ちゃんは特定の動物ではないものとして表されています。この世の全てから祝福され庇護される絶対的な存在として表現されたこの種を超えた赤ちゃんからは、生命に対し作者が抱く憧憬と畏敬の念を感じます。実在する形でしか表現できないものが必ずあると信じる彼女の造形への想いが、このような大きな主題を彫刻表現として成立させました。技術・造形共に未熟な面は多分にあるものの、自身の世界観が情熱的に表現され、見るものに言葉にならないエネルギーを感じさせる作品になっています。