跡雲
黒岩 悠史(クロイワ ユウシ)
美術学科 彫刻専攻
H150×D85×W180cm
鉄/金属彫刻
黒岩悠史は、彫刻の基礎である人体塑像に意欲的に取り組む事で彫刻的な造形力を育み、同時に実習や自由制作を通じて金属加工の技術と金属の素材特性を利用した造形方法を研究して来た。
卒業制作では、人体塑造として「女性像」、実材小作品として「鼓動」、そして実材作品として「跡雲」の3点を制作し提出した。それら3点はいずれも黒岩の確かな造形力を示す完成度の高い作品であるが、中でも鉄を素材として制作された「跡雲」は、「雲」と「ビル建設の際の足場」をモチーフに、再開発によって変貌する故郷への思いを造形化しようと試みた意欲作であり、素材の特性を生かしながら、黒岩独自の造形解釈によって造り上げた秀作である。