ReBoarn
但馬 敦(タジマ アツシ)
芸術学研究科 造形計画研究分野 金属造形
H350×W700×D1400mm
銅、銀、真鍮、七宝、アルミニウム、ステンレス
/ 鍛金、彫金、鋳金、七宝
蛇は、古代エジプトの時代から子宝や性の象徴として、インドでは神の使いとして、日本では金運や守り神の象徴とされてきた。また、ヘビが脱皮をするたびに表面の傷が治癒していくことから、医療、治療、再生(Reborn)のシンボル、不老不死の象徴ともされてきた。作者は、蛇に8の字を描くポーズを取らせる事で「無限」のイメージと「ウロボロス」(蛇が自分の尻尾を噛んでいる姿=始まりも終わりもない完全なもの)を重ね合わせている。これらの神秘的なイメージを持つ蛇に「再生」という花言葉を持つ「キンセンカ」「ダイヤモンドリリィ」「ザクロ」「ユーカリ」「ラッパスイセン」「ノースポール」の6種類の花を纏わせ、非現実的な姿に変貌させる事で蛇に対する親しみを増幅させようと試みている。金属工芸の代表的な技術である鍛金、彫金、鋳金、七宝といった多くの技法を複合的に駆使し、金属の持つ質感や色味を効果的に使い分け、自身の集大成として見応えのある大作を完成させている。その作風は、おおらかで好感の持てる作品に仕上がっている。