おせちパズル
副島 沙奈
デザイン工芸学科視覚造形分野
w19.5 × d19.5 × h16.5(cm)
シナベニヤ、ファルカタ材、紙
副島の『おせちパズル』は、現代日本の家庭で薄れゆく和食文化に対して、細やかに警鐘を鳴らすべく自身の体験をも重ね合わせて発案、企画された作品だと思われる。子供の頃の食卓の団欒を通してご両親からおせちの由来等を学んだ記憶が「知育玩具」制作の動機となったようだが、お重をケースとしたアイデア等、プロダクトとしての完成度は大人も十分楽しめるものに昇華できている。料理を模した各パーツの作り込みやパズルとしての仕組みもさることながら、イメージに合った和綴じによる解説書は、丁寧なイラストで絵本風な仕上げとなっておりこちらも楽しめた。本作品はグラフィックとプロダクトを横断した立体的な展開で確かな技量も認められる。