籠唄
菅原 有加 (スガハラ ユカ)
芸術学研究科 絵画専攻 日本画
H 1818 x W 2273 mm 150号
和紙、岩絵の具 、膠、金属箔
画面を埋め尽くす睡蓮の上に目をとじる人物を配した作品です。題名の〝こもりうた〟とは眠るように目を閉じる人物に対する〝子守唄〟の意味と、〝内に籠る、言葉に籠める〟といった精神的な意味、また、水草が水面を覆い水が見えない状態をさす〝籠り沼”(こもりぬ)という数種の言葉で、多重の意味を持たせているようです。画面構成も水面上に人物が浮かぶように配置させるなど現実にはあり得ない多重の構造となっています。実景とは異なる物理法則から生まれる軽やかなイメージと同時にある種の重厚な実感をもたせるという、相反する表現を両立させているところが、この作品の価値であり評価するポイントであると思います。