狼のとうめい
高 瑞雪 (コウ ミユキ)
美術学科 彫刻専攻
H 2600 x W 3600 x D 2400 mm
ミクストメディア
作品は二つの部分で形成されているインスタレーションです。
そのパーツは床に大きくたたずむ狼と壁にあるドローイングです。高さ3メートル、長さ4メートル近くの狼はスケール感のある立体でビニールホースと木の細い角棒で出来ています。ドローイングのモチーフは雪景色の中にいる狼です。ドローイングの半分以上は穴あけパンチで破壊され、そのパンチで出来た細かい紙片がビニールチューブにいれられて電気のブローワの風で狼の身体を循環しています。2次元のドローイングが3次元の立体の中の活力源になります。狼の形はホースの躍動感のある螺旋で語られ、作家が自然は不動ではなく流動的なものだという主張が力強く表現されています。
ドローイングと立体で本人が長い時間をかけて実験しているシリーズの大作で、絵画の詩的な要素も併せ持つ、彫刻的なスケール感のあるインスタレーションです。